IT革命の後に社会人になった世代が、経済の中心的な役割を担うようになり、世の中に流れる情報の主体が活字から文字データに大きく変質しました。それに伴い情報媒体も組版された「本」から構造化された「データベース」へと変態しています。

また、PCやインターネットの普及により簡単に情報の生成・発信が可能になり、大量の情報が流通し、個々の情報の陳腐化速度が速まっている中で、情報媒体の一つである印刷物は高価な情報媒体に位置づけられるようになり、その役割が大きく変化しています。

IT革命以前は、識字率と紙の消費は文化度のバロメータとされ、大量の紙、印刷物が消費されてきました。その中には活用されず廃棄された印刷物が大量にあり、現在も続いています。このような中で、永く有用でフレッシュなコンテンツと使用条件に応じた印刷技術を組み合わせ、末永く使っていただける、よりライフサイクルの長い工夫された印刷物を提供していくこと。これまで培った製版・印刷・製本技術をさらに追求し、次代のIT技術を取り込みながら、新しいサービスを提供していくこと。私たち船場印刷株式会社は新たな業態への変革にチャレンジし、「ニーズの一歩先」を目指します。

「印刷は文化の母」という言葉があるように、15世紀半ばにその技術が発明されてから今日にいたるまで、印刷は文明社会から切り離せない産業となっています。昭和27（1952）年創業以来、私たちはその言葉を胸に、印刷という仕事に誇りを持ってやってまいりました。そしてこれからも、印刷が持つ無限の可能性を探っていきたいと考えています。これからもよろしくお願いいたします。